こんにちは

前回の続きを書いていきます。

前回の記事では、社会化期には何が行われるかまでを説明しました。

今回は、飼い主さんの元に子犬が来るまでを中心に書いてみます。

 

前回の記事③移行期で書いた通り、生後21日前後から離乳が始まり63日あたりまで徐々に進みます(個体差は結構あるという印象です)
離乳が進むこのタイミングは、子犬にとっては一人で行動を始める自立心や自信を少しづつ身に着けていくことになります。

上記のことから、離乳が終わったタイミングが子犬と暮らすタイミングと言う事になっています。(個人的な見解は最後に)

それより早く、子犬を親元から離すことは社会化の不足による問題行動を誘発しますし、自分が犬であるという自覚が薄く将来犬とのコミュニケーションに問題を生じる恐れがあります。

これは一例ですが、犬同士の社会化は犬との隔離が生後84日まで続くと、その犬は他の犬に対して恐怖や攻撃性を示すようになるといった話もありますし、生後112日までに人との接触が全くなかった犬は将来的に人を恐れるようになることがわかっています。

 

生後56日以降、社会化後期になると多くの子犬は新しい家庭に引き取られますが、この時期は母犬からの抗体が少なくなる時期と一致します。

以前は感染病予防の目的で、ワクチンが完全に終わらない限りは家から出さない様に指導されていましたが、ワクチンが全て終わるのは4カ月齢近くになる事がほとんどであるため、大切な社会化期を逃してしまうことになります。

社会化の機会を十分に受けなかった個体、つまり社会性が身についていない個体は、さまざまなものに不安や恐怖を覚え、これらは将来的に問題行動の重要な一因になります。

その為に、この時期は感染症のリスクは十分に考慮しながら、できる限りの社会化を行うことが大切になります。(抱っこしての散歩や、近隣の方からフードをもらうなど)

 

子犬は生後35日前後から未知の刺激(新奇刺激)を少しづつ警戒するようになっていきます。

この傾向が最大に達するのは生後56日~70日とされていて、この時期は恐怖期と呼ばれ、時期は個体によって差が大きくあると考えられています

恐怖期の悪い体験(ひどい扱いやストレス)でショックを受けると、その心の傷は一生残り、生涯にわたって情緒不安定、不安、恐怖による落ち着きの無さ、恐怖反応、攻撃性などに繋がることがあります

その為、この時期にはどんな嫌な経験も出来うる限り避けるべきで、この時期に旅行や長距離輸送などは辞めるべきです。

 

社会化を行う上で重要な事は、それが一回の出来事であってもいったん恐怖として記憶されてしまうと、成長後の行動に多大な影響を及ぼすと言う事です。

子犬を何かに慣らそうとするときは、個体差を考慮しつつ決して恐怖を感じない様に自然に経験できるように促すことが大切です。

自然に周囲の刺激になれる経験を積める機会を与え、犬が怖がることはせず、楽しい想いをさせながら様々なものに慣れさせるようにしなければなりません。

 

⑤社会化期の終了から性成熟の前まで 若年期

若年期とは、一般的に社会化期の終わりから性成熟の前までを指します。

犬の場合、行動が成熟するのは大型犬でおおむね生後2年、小型犬で生後1~1.5年。

性成熟は6~12ヵ月であることを考えると、行動の成熟は性成熟よりも遥かに遅いことがわかります。

若年期の犬は飛躍的に運動能力が向上し、興奮しやすく、集中力が持続しません。

子犬の時に躾けた事が出来なくなる様に見えるのもこの時期です。

また、この時期はテリトリー意識や自立心が芽生え、吠えなどの行動がみられるようになります。

このため飼い主が初めて犬の行動について問題視するのもこの時期からが多い様です。

 

社会化が必要なのは、社会化期だけではありません。

社会化期に行った社会化は、若年期になっても継続することが大切です

 

社会化の説明は以上です。

 

先に記述した期間・内容にについては、色々な文献がありますのでどれが正しいということはいえません

しかしながら、自分の経験を元に推測するに間違っているとも言えません

ただし、犬との生活を始めた方は社会化を安易に考えず、よく考えてみてください。

過保護になりすぎる事は、犬の成長を著しく損ないます。

放任し過ぎる事は、犬との絆を育みません。

犬の一生は現在では平均で15年程度。

その間に、飼い主として何をしてあげますか?

犬の研究は今も進んでいて、10年前の常識は非常識になっていることも多くあります

正しい知識を持って、何が正しいのかを飼い主さんが見極めてあげてください

最後に、犬と暮らすと言う事はお金も時間も掛かります

子犬を手に入れて終わりではないと言う事を十分に考えてください。

その上で、困った事や悩ましい事がありましたら是非ご相談してください

当店は、そういった施設になりたいと望んでいます。